正教について

各地に根付く正教とは

東京都千代田区神田駿河台、JR御茶ノ水駅の南に、美しいドーム状の屋根を持つ建物があります。ニコライ堂こと、東京復活大聖堂です。

国の重要文化財であるこの建物は実に美しく、キリスト教とは無縁の人であっても、つい足をとめて眺めたくなる魅力に満ちています。

さて、このニコライ堂は、いわゆる「教会」にあたりますが、正確にはキリスト教のなかでも「正教」と呼ばれる宗派の教会にあたります。
正教は、別名「東方正教会」ともよばれ、中近東を中心にギリシャや東欧、ロシアなどに広がっていったものとなります。

現代でキリスト教といえば、カトリックやプロテスタントが主流となっており、正教はやや少数派となっていますが、日本にもニコライ堂のような教会がしっかりと根付いているように、正教は世界各地にひっそりと存在しています。

 

正教の儀式

正教の特徴は、奉神礼もしくは聖体礼儀と呼ばれる儀式です。
カトリックやプロテスタントの教会でも、ミサや聖餐式という儀式は行われますが、正教における聖体礼儀は、初代教会の礼拝のかたちを色濃く残す、伝統的なものとなっています。

まず、聖体礼儀の前日、土曜日の夜には「徹夜祷」という祈祷が行われ、日曜の聖体礼儀に備えます。

そして、翌日曜についに聖体礼儀となるわけですが、そこではハリストス(日本の正教におけるキリストの呼び方)のからだと血を意味するパンとぶどう酒を信徒たちで分け合うという儀式が行われます。

このような聖体礼儀は、カトリックやプロテスタントの教会でも行われますが、正教の聖体礼儀にはいくつかの種類があり、それぞれ行われる時期や場所が定められています。

正教のおもな聖体礼儀には、聖大ワシリイが行ったという「聖大ワシリイの聖体礼儀」や「聖金ロイオアン(ヨハネ)の聖体礼儀」と呼ばれるもの、「聖グレゴリイの聖体礼儀」などがあります。

毎日曜に行われる聖体礼儀は、ほとんどが「聖金ロイオアンの聖体礼儀」にあたり、これは、聖大ワシリイの聖体礼儀をやや短くしたものと考えられています。